ニート状態はつらいです。社会人生活が長く続くと「働きたくない」「一生遊んで暮らしたい」みたいなことを思う人もいるようですが、働きづめの辛さとニートの辛さを比べたらたぶんニートのほうがつらいです。あくまで僕の場合ですが。
今回は一時ニート状態に陥った僕がニート状態がなぜつらいのかを書いていきます。ちゃんと社会の既定路線に乗っかっているまともな人間が、ニーになりたいなどとおかしな妄想に現実からの逃避を求めて人生を台無しにしてしまわないよう、ここにニートがなぜつらいのかを記しておきたいと思います。
人生にうしろめたさしかない
ニートとは穀潰しです。何も生み出すことなく食って寝てうんこするだけの家畜以下の存在です。
働かなくてはいけないのに職も見つからず、行動することもない。自分の無力さとだらしなさにより劣等感の塊になります。
生きていることが後ろめたくなってきて自己肯定感は下限に振り切れます。自分の存在意義は一切感じられません。
死んだ方が貢献できるのではないか、そう真剣に思うほどに心はうしろめたさでいっぱいになります。
劣等感が人間関係を破壊する
全員がこうなるかはわかりませんが、ニートでいることにより劣等感が際限なく高まる結果、人間関係が破壊されていきます。
僕の場合、ニート状態(重ねて鬱状態)になったことで自分の近況を知られるのが怖くなり、人が怖くなり、音信不通になり人間関係を壊しかけました。「ニート状態でいることなんて知られたらどうしよう」みたいな気持ちがすごく強くなってしまい、しかも対人恐怖から必要以上に自意識過剰になっているので周りが自分のことをすごく気にしているような気がしてきます。
実際にはみんなそこまで気にしていないのですが、勝手に一人で状況を拡大解釈して不安がってしまいます。勝手に劣等感を抱いて周りを遠ざけてしまうことで度が過ぎると本当に人間関係が破壊されます。
孤独がメンタルを破壊する
こうして周りの人間関係が破壊され、手を差し伸べてくれる人すらも怖いような状態になってしまうと最後には孤独になります。
孤独は人のメンタルを壊します。自分が社会、友達、誰かと繋がれていないという感覚は想像以上にきつく、何もしていないのに吐き気がしてくるくらいです。
ちなみに、どこかに所属していて仲間と連絡も付き合いも途絶えていないがあまり会っていないだけ、というのは孤独には入りません。ちゃんとしたつながりが維持できていない状態を孤独といいます。
毎日謎の不安に追い立てられる
孤独、うしろめたさ、無力感などで精神が侵されると、ただ生きているだけなのになぜか原因不明の不安に一日中追い立てられることになります。
「このままで大丈夫かな、いや大丈夫なわけないよな」
「なんで生きているんだろう」
「なんか生きているのが怖い」
「このまま何も改善できずに灰色のまま人生を終えるのかな」
表現として適切か自信がないのですが、要するに何をしていても常に不安が付きまとうので、安心できる瞬間や幸せを感じられる瞬間がないということです。
心が全く安らぎません。辛いです。
何をやっても楽しくなくなる
「ニートは楽しい」「遊んで暮らしたい」「一日中趣味に没頭していたい」「自由な生活を送りたい」ニートになるとこれらすべて実現可能ですが、こんなのが楽しいのは最初の二週間くらいかせいぜい数か月が限界です。
何でもできる状況が当たり前になると、毎日働いていた時と同じで結局は退屈になってきます。
僕も最初は「ブログの作業に没頭できるぞ」とか「暇な時間を使って勉強して知識を蓄えよう」「長期間の旅をして思い出を作ろう」なんて考えていましたが、二か月くらいで飽きました。
それから暫く経つと、飽きるどころか自分の好きなことに対するセンサーまで鈍ってきて、次第に何に対しても楽しさを感じられなくなってしまいました。暇なのに何にも意欲がわかないし、何をやっても楽しくないのです。
これは鬱の症状も入っていると思いますが、とてもしんどいです。だって何をしたいとも何を頑張ろうとも思えないんですよ。自分は何のために生きているんだろうと本当にわからなくなります。
新たな刺激がないのでオッサン化する
人間が変わる時ってだいたい「異質なもの(特に人)」に触れた時だと思うんですが、ニートは基本家に籠っているし生活圏内もコミュニティも狭いので新たな刺激や出会いがほとんどありません。
それゆえ変化することがなくなり、精神的にどんどん枯れていきます。若いくせにオッサンみたいな人間の誕生です。
人間的魅力も感じられなくなってきます。