テニスをしていて
「この人、自分より下手かな」
「あ、私と同じくらいじゃん」
って思ったことはありませんか?
その認識、もしかしたら改めたほうが良いかもしれません。
この認識を変えることが、あなたの試合でのメンタル強化に繋がるかもしれないのですから。
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自分より下手に見える人は多分あなたと同じくらい
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
「こいつは俺より下手だな」と思ったら、そいつはお前と同じぐらい
「こいつは俺と同じぐらいだな」と思ったら、そいつはお前より上
「こいつは俺より上手いな」と思ったら、そいつはお前の遥か先を行っている
ハッとした人も多いのでは?
テニスにおいてもこの言葉はよく当てはまると思います。反面、このことをちゃんと認識できていない人は結構多いように感じます。
例えば、youtubeのコメント欄
僕はテニスの動画が好きなので、YouTubeでいろんな人の動画を見ます。最近はYouTuberというものが世間に浸透したおかげで、自分のテニスの動画をアップしてくれるアマチュアプレーヤーが沢山いるんですよね。
ですが、こういう動画ではコメント欄を見ると必ず「自称すごくうまい人」が何人か現れます。そして、その中にはうp主に対して
こいつ(=うp主)は下手だな、俺のほうが全然うまい
みたいなコメントをする人がよくいます。
まあ個人的には、自分がほんとにうp主よりうまくて、それをコメント欄で自慢したくてたまらない人がそうやって自慢するのは構わないと思ってます。誹謗中傷じゃなく論理的な批評である限り、好きにすればいいと思います。
(もっともその人がほんとにテニスが上手くても、自分で動画をアップしてうまいことを証明しない限り不毛な言い争いが続くことは必至ですが…)
ネット上の匿名の書き込みだと、現実世界ではそんな態度を取らないのに、ちょっと気が大きくなって偉そうなことを言っちゃうなんてことは、よくあることです。僕だって同じ。
ただ僕が疑問なのは、果たしてそういうコメントをする人は本当にうp主よりうまいのか?ということ。
語弊のないように言えば、コメ主自身は自分のほうがうまいと思っていても、客観的に見ればうp主のほうが遥かにうまいという齟齬が生じているような気がするのです。
例えばこのチャンネルでは…
実際に僕が見たことのあるチャンネルのコメント欄を見てみましょう。
このみーちゃんねるという方は、どうやら高校のときにテニスを初めて県大会でベスト4になり、その後10年近いブランクを経てテニスを再開したそうです。
この方の名前を調べて戦績がどんなものか検索してみたところ、特にヒットしなかったので、県大会ベスト4について真偽の程はよくわかりません。
しかし、アップされている試合この動画を見る限り、高校の2年ちょっと(テニス部は全国にでも行かない限り3年の5-7月頃に引退するので)と、その後10年以上ブランクを空けてのプレーとはとても思えず、とてもお上手です。
僕もきっと対戦したらボコボコにされるでしょう。
しかし、この動画に対しては
- 相手が弱いだけやん、勝って当たり前
- これ、本当にオープンクラスかよ、レベル低いな
などのコメントがついてます。
これらのコメントは必ずしもうp主より自分が強いということを言ってるわけではないので、もしかしたら僕の見解は的はずれかもしれません。
しかし個人的にはこういったコメントには少なからず、言外に
「俺のほうがうまい」
ことを主張したい心が見え隠れしているような気がするのです。そして、こういったコメントをする人が自分のプレーとうp主のプレーを客観的に比較できているかはかなり疑問です。
(このコメ主の片方はテニスの動画を出しているようですが…うp主との比較結果はお察しの通り)
そして何より思うのは、県ベスト4のプレーヤーをバカにできるほどうまい人が、わざわざYouTubeで自分より下手な人を見つけて貶めることに喜びを感じるか?ってこと。
多分そんなに暇じゃありませんよね。
自分のプレー、動画で撮ったことがありますか
自分のプレーを動画で撮影して確認したことがある人は、自分が思っている以上に自分のテニスがショボいということを知っているはず。
自分ではめちゃくちゃ走ってダダダダダッと素早いフットワークでバチコーンと球を打ち込んでいるはずなのに、動画で見ると
タッタッタッタッ、パイーン!
タッタッタッタッ、パイーン! (以下略)
みたいな感じに見えますよね?
これが現実です。客観的に見た自分のテニスです。
もちろん、スマホなどで撮る動画だと生で見るプレーよりも迫力が劣るということはありますよ。
けどそれは単に迫力が劣るだけであって、動画に写っている自分の動きや球の飛ぶ速度は、客観的にみれば紛れもなく動画の通りになっているのです。
だから、YouTubeの動画で
「この人よりはできそう」
なんて思っても、実際に自分のプレー動画と比べたら自分のほうがヘタってことはよくあります。
比較対象が現実の相手でも同じ
上記のようなことは、何も比較するのが他人の動画のときに限りません。
大会とかに出場して、現実に対戦相手を見るときだって同じです。
だから、僕は対戦相手とアップをすませたときに
「この相手は自分よりヘタかな」
と思ったときには、自分と同じかそれより強いかもしれない、くらいに考えて試合に望むようにしています。
「こいつ…うまいぞ!」
そう思ったときには自分が思っている以上に実力差があります。
「こいつは俺より上手いな」と思ったら、そいつはお前の遥か先を行っている
のですから、まともにやったら完敗の可能性が高い。
そんなときには、大きな実力差を自覚した上でそれを踏まえた大胆な戦術(チャンスは絶対に怯まない、単調になっても徹底して相手にロブやスライスを打つ等)を取るようにしています。
なぜこんな考え方が必要なのか
ではなぜこういう考え方が必要なのか。
それは
相手のことを見くびってしまうとやられたときに精神的にまいってしまうから
です。
以前、チャンスボールのようなカンタンなボールは実は難しいから認識を変えよう、といいました。
それでも多くの人は「チャンスボール=簡単」と考えてしまうから、失敗したときに萎えてしまいます。
そして萎えるだけじゃなくて、精神的に投げやりになってくる。しかし、投げやりになってしまうとテニスは絶対勝てません。
相手に最低限球をコートに入れる能力がありさえすれば、どんなに強い人でも投げやりでは勝てないのがテニスというスポーツだからです。
それと同じで、相手を見くびってしまうと、今度はその相手にやられたときに、自分が精神的に追い込まれてしまいます。
「こんな弱いやつにやられた」
と。
だからこそ、強いテニスプレーヤーでありたいなら
「こいつは俺より下手だな」と思ったら、そいつはお前と同じぐらい
「こいつは俺と同じぐらいだな」と思ったら、そいつはお前より上
「こいつは俺より上手いな」と思ったら、そいつはお前の遥か先を行っている
この精神を忘れてはいけません。
まとめ
- 自分より下手だと思う相手は同じくらいの実力であることが多い
- YouTubeの「自称うまい人」はヒマなだけ
- 自分と相手の実力を客観視すれば試合でメンタルが崩れにくくなる
以上の点を意識して試合のメンタルに役立ててください!
ちなみに自分の動画を撮るのは純粋に後になって見返すと面白いので、おすすめですよ(笑)