テニスのサーブの基本ってなんだろう?
こんな疑問を持っている初心者の方に向けて、テニスのサーブで意識するべき5つの基本について解説したいと思います。
ここに書いてあることをいっぺんにやるのではなく、一つずつ意識しながら練習してもらえればサーブの基本をマスターすることができるでしょう。
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サーブは練習すれば打てるようになる
まず本題に入る前に、サーブについてこれだけは知っておいてほしいということが一つあります。それは
サーブはどんなに不得意でも、練習した分だけ上達できる
ということです。こんなエラソーな記事を書いている僕ですが、実はめちゃくちゃサーブが苦手でした。
試合の緊張する場面でセカンドサーブをダブルフォルトしない他の人を見て、
こいつら同じ人間か…!
と思っていたくらいです。
サーブが得意な人も苦手な人もいるかもしれませんが、こんなに苦手な僕でも練習し続けたらなんとかなったので、あなたも大丈夫です。このことを心の片隅に置いてサーブの練習をしていきましょう。
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初心者が意識するべきサーブのコツ(基本編)
初心者の方が意識するべきポイントは5つ。
- 正しいグリップを理解する
- 正しいトスの上げ方をマスターする
- 右肘を高くする
- 体の横向きを保ち、体を閉じる
- 横から見て斜め上に向かってスイングする
です。これらを順を追って解説していきましょう。
正しいグリップを理解する
アニメ テニスの王子様 第1話より
まず、サーブのときの正しい(推奨されている)グリップの握り方を覚えましょう。
ここで、グリップの名前をおさらいすると、フォア側に厚いものから順に
- エクストリームウエスタン(スペインのジュニアのフォアハンド)
- ウエスタン(一般的なフォアハンド)
- フォアハンドイースタン(フォア側に厚めなボレー)
- コンチネンタル(一般的なサーブ)
- バックハンドイースタン(薄めなサーブの握り)
です。
ウエスタンがいわゆる、「落ちているラケットを手のひらを広げて拾ったとき」の握り、「握手するときの握り方」がフォアハンドイースタン、それより少しフォア側に薄いのがコンチネンタル、更にフォア側に薄いのがバックハンドイースタンです。
色々書きましたが、こんなのを細かく覚える必要はなくて、サーブについてはざっくりコンチネンタルとウエスタンを知っておく程度で十分です。
ウエスタングリップ(羽子板サーブの握り)はダメ
初心者の方がよくやりがちなグリップとして、ウエスタングリップ(ストロークでよく使われる握り方)があります。この握り方の人は、いわゆる羽子板サーブと言われる打ち方をします。
僕も初心者のときにはこのウエスタングリップで羽子板サーブを打っていましたが、このグリップと打ち方が染み付いてしまいどうしても直せないという人以外は初心者でもこのグリップはやめておくべきです。
なぜかというと、このウエスタングリップは回転をかけるスイングとの親和性が全くないからです。テニスのサーブは回転をかけないとあまりにも確率が悪く、試合で使い物になりません。
要するにウエスタングリップでは回転がかけられないからダメだということです。
試合に出るようになり、本気でテニスをやりたいと思ったあとでこのグリップを直し、もう一度別のグリップで練習し直すことを考えると、初心者だからといってウエスタングリップを採用するメリットがあるとは到底思えません。
後からグリップを直すのは本当に大変です…!
正しい握りはコンチネンタル
サーブの握りはテニスが上手い人の中でも多少の差はありますが、一般的にはコンチネンタル〜バックハンドイースタンくらいで握るべきです。
↑コンチネンタル
↑バックハンドイースタン
このくらいのグリップで打つことで、サーブを打つときに自然と肩から先の腕や手首が内向きに回旋し(プロネーションといいます)て打てるようになり、スイングを加速させやすくなります。
一般的にはコンチネンタルの人が多く、更に回転をかけるタイプのサーブを打ちたければさらにフォア側に薄いバックハンドイースタンの握りにするのがオススメです。
この握りにするとはじめはすごく打ちづらく感じると思いますが、最初にそう感じるのみんな同じなので、なれるまでこのグリップで打ってみてください。
そのうち慣れてきて違和感はなくなります。
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正しいトスの上げ方をマスターする
次に、サーブに力を伝えられる&安定したトスの上げ方を理解しましょう。
トスの重要性はあまり言及されることがありませんが、サーブのフォームが良くてもトスが悪いとすべてが台無しになりますから、トスは大切です。
トスを上げる基本は
- 親指と人差し指・中指でコップを持つようにして持ち
- トスを上げる腕の肩から先をまっすぐ一本の棒のようにし
- なるべく高いところ(目の高さくらい)でそっと手を離す
です。
そして、トスを上げる位置は
- 前後方向については若干ベースラインの内側に落ちるくらいの位置
- 左右方向については身体を反らずに無理なく見上げられるくらいの位置(頭の後ろなどはNG)
に上げるようにしましょう。
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右肘を高く(90°に)する
速く力のあるサーブを打つためには、右肘(左利きの場合は逆)の角度を90°にすること(右肘を高くすること)がとても大事です。
トッププロにも、サーブで、肘が下がっている人はいません。
右肘を高くするのは、肘が落ちてしまう(上腕と前腕の角度が90°よりも小さくなってしまう)と、腕を強く振ることができないからです。
試しに肘を90°よりも曲げた状態と、90°に保った状態でどちらが腕を強く振ることができるか試してみてください。
肘が直角より小さい角度で曲がってしまうと、腕が窮屈な感じがして強く振れないと思います。これが、サーブのときに肘を高く(90°に)しろと言われる理由です。
僕もテニスを始めて3年くらいでこのことを教わりましたが、肘を上げるだけでサーブの速度がかなり上がりました。
え、俺のサーブ速くね?
と、衝撃を受けたことを今でも覚えています。
ただ、僕もそうでしたが、肘が下がっている人は自分の思っている以上に肘が落ちているし、自分では肘が下がっているかわからないので、サーブを打つときは必ず、他の人に見てもらったり、動画を撮ってもらったりして肘が上がっているかどうかを確認しましょう。
横から見て斜め上に向かってスイングする
そして、サーブを打つときには横から見て斜め上に向かってスイングするようにしましょう。
この際、体の左側のベースライン上に壁があるようなイメージを持って、斜め上に向かってスイングをします。
ベースラインにそって横向きにスイングをして、回転をかけるようなイメージです。
ボールをヒットするときには、左手を手のひらを胸に向けた状態で胸に抱え込むようにすることで、体が開いた状態(胸が相手に向かっているような状態)にならないように意識しましょう。
左手で体の開きを抑えているのがよくわかります。
よく、サーブのアドバイスで「体を閉じろ」と言われるのはこのことです。ボールを飛ばす方向は前ですが、体(胸)は相手の方ではなくあくまで横向きを保つ(=体を閉じる)ことで、横向きでもしっかりスイングできるようになり、ボールには縦回転がかかります。
さらに体を閉じることで、体が倒れて打点が下がってしまうことも防げるので二重にサーブの確率が良くなるのです。
サーブは回転をかけるのが基本
最後にこれだけは知っておいてほしいのですが、サーブはフラット、スピン、スライスを違うフォームで打ち分けるものではありません。
全てのサーブは基本的なフォームは同じで、トスの位置やボールに当たるときのラケットの面の向きが少し異なるだけです。
初心者の方から
フラットサーブは打てるけど、スピンサーブやスライスサーブが打てない
といった悩みを聞くことは多く、僕自信も以前同じように思っていたからよくわかるのですが、それぞれのサーブを別のものとして習得しようと考えるとサーブが難しくなってしまいます。
フラットとスピンはスイングのエネルギーをスピンに割くか威力に割くかの違いでしかありませんし、スピンとスライスは打点の違いに因って回転の向きが異なっているだけです。
これが理解できると、セカンドサーブだからといってスイングを緩めたりしなくなりますからダブルフォルトも減るし、そもそもサーブの確率が上がってサーブが入るようになります。
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サーブにパワーを出すコツ(応用編)
基本編にあるようなことがだいたいできるようになったなと感じたら、次はサーブのスイングスピードを上げる練習をしていきましょう。
前述のように、サーブのスイングスピードが上がれば安定性と威力を両方確保できるからですね。
その際に意識するべきポイントがいくつかあるので解説していきます。
左手(左半身)を伸ばして力を貯める
プロがサーブを打つときに、左手をしっかり伸ばしていますよね。また、錦織選手はよく左脇腹を痛めますよね。
これは、サーブのときに左手や左半身をしっかり伸ばすことで、右腕を含む右半身のスイングスピードを高めるための力のためができるからなのです。
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ストロークの左手の使い方と共通していますが、右腕を速く振るためには左手をしっかりと出してバランスを取り、右腕の勢いを出すために利用しなくてはなりません。
サーブでも同じように、トスを上げたときに左半身をしっかり伸ばしてスムーズに速く右肩が出てくるようにすることで、スイングスピードを上げることができます。
投球動作のように体を回転させる
また、投球動作やストロークと同じく、体の回転を活かしていく意識を持つことでサーブによりパワーを出すことができます。
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サーブは、トロフィーポーズのときに高い左肩と低い右肩が入れ替わることによって威力を出すという理解がされることがありますが、実際にはそんな単純な二次元的な動きではなく、体の水平方向の回転という三次元的な動きが加わることで力が出ています。
この方の記事がそのことについて詳しく言及しています。
膝の曲げと地面の蹴りでパワーを出す
また、パワーを出すために膝の曲げと地面の蹴りを使うことも有効です。
あまり大げさに使いすぎると逆にサーブの安定に悪影響となりますが、正確にサーブを打てる範囲で下半身は意識してみると良いでしょう。
ただし、サーブのジャンプなどで頑張りすぎるとシングルスなどでは思った以上に足の筋肉を使いますから、アマチュアレベルであれば、試合ではここぞというときに使ったほうが良いかもしれません。
まとめ
この記事の内容をまとめると
- 練習すれば必ずサーブは打てるようになる
- 回転をかけるのがサーブの基本
サーブの5つの基本は
- 正しいグリップを理解する
- 正しいトスの上げ方をマスターする
- 右肘を高くする
- 体の横向きを保ち、体を閉じる
- 横から見て斜め上に向かってスイングする
スイングスピードを出すための応用として
- 左半身(左手)を伸ばす
- 水平方向の回転を意識する
- 膝の曲げ伸ばしと地面の蹴りを意識
いっぺんに意識するのではなく、一つ一つ練習で意識していくのがポイント
です。テニスを始めたばかりのころは全然サーブが入らなくて大変だと思いますが、サーブの基本を習得できれば試合も安心できると思います!
テニスを楽しみましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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