みなさん、サーブを打つときしっかりと薄い握りで打つことができていますか?
一般的にサーブの握りは薄いほうが良いとされています。
しかし、僕の周りにもいわゆる厚い握り(ウエスタングリップ)で羽子板のようにサーブを打つ人は多いです。ボリス・ベッカーのように厚い握りでサーブを打つプロ選手もいますが、少数派です。
僕もテニスを始めてから1年半くらいは非常に厚い握りでサーブを打っていましたが、周囲にこのままではダメだと指摘され、徐々に握りを変えていきました。厚い握りに慣れてしまっていて、薄い握りのほうが良いとアドバイスされても素直に受け止めることができませんでした。薄い握りでサーブを安定して打ち続けられる自信がなかったためです。
そのため、周囲に指摘されても厚い握りをすぐに薄い握りにはせず、薄い握りと言っても通常使われるサーブのグリップよりはだいぶ厚い握りで打っていました。
しかし、テニスを始めてから4年半経った今、ようやくサーブにおいて薄い握りがどれほど重要なのかということがわかりました。
今回は、サーブの時にウエスタン、もしくは厚めのコンチを使っている方に向けて、サーブにおける薄い握りの重要性を伝えていこうと思います。
結論:サーブはなぜコンチネンタルグリップが重要なのか
まず結論を書きます。サーブに薄い握りが必要な理由は
手首の回内(プロネーション)動作が使えるから
これにつきます。
プロネーションがしっかり使えるかどうかは、あなたが思っている以上にサーブのレベルにかなりの差を生みます。
テニス雑誌やテニス技術を解説するサイトではよく見られる言葉ですが、プロネーションとは回内と呼ばれる動作のことです。対義語として回外(スピネーション)動作がありますが、これはまたおいおい。
プロネーションとは
前腕
まず、前腕(肘から先)のプロネーションについての解説です。
腕をまっすぐ横に伸ばしてください。そして、肘を90度に曲げて手のひらを体側に向けます。そのまま手のひらが正面を向いてから体の外側に向くように回転させます。
この動きが前腕のプロネーションです。
次は上腕のプロネーションです。
上腕
先ほどと同様、腕をまっすぐ横に伸ばしてください。そして、肘を90°に曲げ、手のひらを今度は真正面に向けてください。その状態で手のひらが真下に向かって倒れる方向に動かしてください。すると、手の動きに伴い上腕が軸となって回転すると思います。
この、手のひらが倒れるときの上腕の動きが上腕の回内運動です。
テニスのサーブにおけるプロネーションはこの
- 上腕の回内運動
- 手首の回内運動
の2つが同時に合わさることで実現しています。
同時に合わさるということはつまり、前腕が内から外に回転しながら、さらに前後に倒れる動きをするということです。
プロネーションとウエスタングリップ
それではこのプロネーションの動きを厚い握りで実践してみましょう。
実際にウエスタングリップで先程の動きを再現してみてください。
- 腕を横に伸ばし
- 肘を90°に立て
- 前腕と上腕を回す
のです。すると厚いグリップの場合、プロネーションの途中で面が斜め上に向いてしまいます。これではサーブは吹っ飛んでいってしまい、コントロールすることは難しくなります。
プロネーションとコンチネンタルグリップ
では同じ動きをコンチネンタルグリップでやってみましょう。
すると今度は、回内動作の途中でラケット面は若干下を向くはずです。
これならばサーブをコントロールすることができそうですね。
このように、ウエスタングリップでプロネーションをしようとするとラケット面が大きく開いてしまうのに対して、コンチネンタルグリップの場合は面を閉じたままプロネーションをすることができるのです!
これがサーブのときにコンチネンタルが重要だと言われる決定的な理由なのです。
まとめ
サーブでコンチネンタルグリップが重要な理由は
- プロネーションは前腕と上腕のの回内動作であり
- 厚い握りではプロネーション時に面が上を向いてしまう
- ウェスタングリップではプロネーションが使えない
からでした!
このプロネーションの動きができれば、スピンサーブやフラットサーブの威力も段違いに上がってきます。相手を押し込む力があなたのサーブにつきます。
続きを見る【テニス】高く跳ねるキックサーブの原理と打ち方5つのコツ
今は厚い握りでサーブを打っている方も、サーブのレベルアップのために薄い握りに変えてみませんか?
意外と少しの練習で慣れてくるものなので、試してみる価値は十分にあると思います!
それではまた!