ダブルスで自分のサーブゲームがキープできないことに悩んでいませんか?
ダブルスでは前衛がいるぶん、シングルスに比べてよりサービス側が有利です。相手のサーブが強いとブレイクはかなり難しいため、基本的には自分のサービスゲームをキープしないと勝てません。
だけど、なかなかキープができない、ブレイクされてしまうという悩みはよくわかります。なぜなら、僕も以前は自分のキープもしっかりできないままずっと試合をしていたからです。
しかし、サービスの強化とともにサーブゲームの意識を変えたことで、サーブゲームのキープ率が30%→75%くらいまで上がりました。
試合の相手のレベルは以前とそう変わっていないし、「サーブが取りにくくなった」と言われたのでおそらく間違いないです。
今回は僕がサービスキープにとても重要だと思うポイントを3つに分けてお伝えしたいと思います。
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サーブゲームのキープ率を上げる3つの方法
- 何よりファーストサーブの確率を上げる
- 威力ではなくサーブのコースを追求する
- サーブは回転をかけるものだと理解する
一言で言えば、「威力より確率とコース」ってことです。この3つができればサーブのキープ率は格段に上がるはず。
詳しく説明しましょう。
ファーストサーブの確率を上げる
ダブルスでサーブゲームをキープするのにいちばん大切なのは、間違いなくファーストサーブの確率です。
プロの動画を見ていても、ファーストサーブの確率は高いですよね?
ダブルスでは基本的にサーブ側が有利で、リターン側はただ漫然とシコっていてもブレイクできないので、リターンで攻める必要があります。それで、攻めるときにどこを攻めるかというと…セカンドサーブです。
逆に言えばサーブ側は、威力やコースはそこそこでもファーストサーブが高い確率で入れば、ほっといても自分が有利になります。
だからファーストサーブの確率を上げることが、サービスキープに一番必要です。細かく見ていきましょう。
威力よりも確率とコース
ファーストサーブの確率を上げるためにまず理解してほしいのは、威力よりもコースや確率を重視するべき、ということ。
プロのサーブや上手い人のサーブを見て、ファーストサーブは速いサーブを打ちたい、あるいは打つものだと思っているかもしれません。
しかしプロや上手い人が強いファーストサーブを打ち込めるのは、ファーストサーブの確率が高く、また質の高いセカンドサーブが必ず入るという自信が前提にあるからです。
僕らのような一般ピーポーが、1ゲームに1回しか入らないファーストサーブを打ち続けても、それは自らをダブルフォルトに追い込んでいるのと同じ。
速いサーブを打つ前提としてまずはそのファーストサーブがある程度入ることが必要だと理解することがまず第一歩です。
ファーストサーブだからといって全力で打たない
ファーストサーブで威力が出ることは大事ですが、それ以上に確率が大事です。
ファーストサーブを打つときでもあまり力みすぎてはスピードも出ませんし、確率も上がってきません。
ファーストサーブを打つときには適度に脱力して打ちましょう。
サーブ練習では2/3を目標に

ファーストサーブの練習をするにあたってどのくらい入ればいいのかについては諸説ありますが、僕は2/3くらいが目安だと思います。
これくらい入れば1ゲームに6ポイントやるとして、3,4回はファーストサーブが入るので、ファーストサーブで70-80%、セカンドサーブで50%くらいポイントが取れれば十分キープできる計算になります。
逆に、ファーストサーブの入りが40%を下回るような場合は、サーブの打ち方が悪いかそのサーブは今のあなたにはハードルが高いのだと考えましょう。
試合中にあまりファーストサーブの確率が悪いと、精神的に萎縮してファーストサーブを打てなくなってしまうので、試合では2/3以上の確率で入れられるサーブを使いましょう。
サーブのコースを狙う練習をする
確率の次か同じくらいに大事なのはサーブのコースです。これはファースト、セカンドに限りません。
なぜコースが大事かというと、コースが良ければ相手のリターンが強くても無効化できるからです。
フォアリターンは強くてもバックリターンはてんでだめ、という人は大勢いますし、どちらもリターンが上手い人でも動かされればあまり有効なリターンは返ってこないことは多いです。
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
相手の苦手なコースに打つ
あたりまえですが、コースの基本は相手の苦手なコースに打つことです。
当たり前のことなのに、これを練習でやっている人はあまりいないんですよね。
普段のサーブ練習から相手の苦手な方はどっちなのかを考えて、そちらに多めにサーブを打つ練習をしましょう。
サービスボックスを二分割して、苦手な方にサーブが入らなかったら失点、などのルールを設定してゲームをやるのも良いかもしれません。
僕はずっと片面クロスコートのサーブリターンでこのルールでやっていたので、相手のバックを狙う技術はかなり上がりました。
この練習をするとリターン側も自分の苦手なコースのリターン練習ができるのでとてもオススメです。
まずはフォアサイセンター、アドサイワイド
試合になったら相手の苦手な方を狙うのが基本ですが、外部の大会を目指す場合は練習相手と試合相手が違う場合がほとんどですよね。
そういう場合、普段のサーブ練習でどのコースを狙うのか迷うかもしれません。
そういうときは、まずはフォアサイドのセンター、バックサイドのワイドへのサーブを練習しましょう。
このコースは右利きのバック側なので、まず最初に打てるようにしておくのがコスパが良いからです。
サーブはコースを狙うほうが入る
サーブはコースを狙わないほうが入ると思っていませんか?
しかし、実際にはサーブはコースを狙ったほうが確率が上がります。
狙うことがサーブに好影響を与えることが多いのには理由があります。
サーブでコースを狙うことを意識することで、意識が「サーブを入れる」ことに意識が向かず、「サーブをどこに入れるか」に意識が向くからです。
テニスのどのショットにも言えることですが、意識しすぎると力が入ってしまうのでいいショットが打てません。
例えば
- いいリターンを打とうと思うとなかなかいいリターンはいかないのに、ラリーで勝とうと思ってリターンをすれば無意識に良いリターンがいったり
- ファーストボレーを入れようと思うと動きが固くなってしまうのに、「ファーストボレーを短く打ってクロスに詰めて決めよう」と思ってラリーに入ると、気づいたら当たり前のようにファーストボレーは突破していたり
なんてことがあり、同じように、サーブをどこに入れるかに意識が行けば、サーブが入る前提になるのでサーブがポンポン入るようになります。
加えてサーブを狙い続けているとコントロールが良くなりますから、一石二鳥です。いいことづくめなのでサーブはしっかりとコースを狙いましょう。
サーブは回転をかけるものという意識を持つ
サーブはスピンがかかっているのが基本形
誤解されていることが多いのですが、サーブの基本はフラットではなくスピンで、スピンのかかり方やその強弱でフラット、スピン、スライスが分類されているにすぎません。
初心者の方の多くは、フラットサーブがサーブの基本でスピンサーブはその応用系の難しいショットだと捉えています。
僕も例外ではなく、以前はサーブにはフラット、スピン、スライスの3種類があり、それぞれの練習をしなくてはいけないのだと思っていました。
しかし、サーブの基本はスピンサーブです。
スピン量が多いのがいわゆるスピンサーブ、少ないのがいわゆるフラットサーブ、スピンの向きがそれらより地面に対して水平(横向き)なものがいわゆるスライスサーブと呼ばれるものですが、回転量や回転方向が違うだけで、スピンがかかっている点ではどれも同じです。
これを間違えると
- スピンサーブは難しいものだ
- ファーストサーブはフラットが基本だ
- サーブはそれぞれ3種類の練習が必要だ
など、サーブに対する誤解によって悪い影響が出てしまいます。
スピンを打つためにはこの打ち方、フラットはこう、などといちいち打ち方を大きく変えるのはナンセンス。
サーブの練習をするときにはスピンだからこう、スライスだからこう、とフォームを変えないで、どれもナチュラルにスピンがかかったサーブの応用系だと思って練習をしましょう。
ファーストとセカンドは当たりで打ち分ける
しかし、フォームも振り方も大きく変えずに違う種類のサーブを打つにはどうすればよいのでしょうか。
答えはかんたん、ラケットへのボールの当たり方を変えればよいのです。
ボールの回転とスピードはトレードオフです。つまり、サーブを打つ際のパワーは一定で、それを回転に多く割いたらスピン、スピードに多く割いたらフラットサーブに近くなります。
回転はラケット面の向きとスイングの方向がずれていることで生じるので、ラケット面とラケットの進行方向とラケット面の向きのズレが小さければ小さいほどフラット、大きければ多いほどスピンに近くなります。
これはつまり、厚く当ててスピードにパワーを割り振ればファースト(フラット)、薄く当ててスピンにパワーを割りふればセカンド(スピン)になるということです。
間違っても、ファーストは強く打つもので、セカンドは弱く打って入れるものと考えてはいけません!
ファーストもセカンドもスイングのスピードは同じです。むしろファーストのスイングが100だとすればセカンドは120振るくらいの意識でいかねばなりません。
基本のセカンドサーブはバックにスピン多め
セカンドサーブで回転をかける意識をもてたら、そのサーブを相手のバックハンドに入れるのがとても大切です。
スピンのかかったサーブが基本だと言われても、最初は大きく跳ねるサーブを打つのは難しいため、スピンサーブは打ちごろのチャンスボールになりがちです。
しかし、大きく跳ねないサーブでもバック側に入れてしまえば十分相手にとって嫌な球になりえます。中級者くらいまでは、高めの打点のフォアは打ててもバックは打てない人は多いからです。
ゆるくても、セカンドサーブでは徹底的に相手のバックを狙う練習をしましょう!
相手に攻め込まれないセカンドサーブを自信を持って入れることができれば、ファーストサーブで攻撃的にいけますし、キープは圧倒的に楽になりますよ!
まとめ
サーブが苦手でもキープ確率を上げるには
- ファーストサーブの確率を上げる
- 威力よりもコースを狙う
- サーブはどんな球種も原理は同じだと理解する
この3つが大事です。
特に3つ目はあまり馴染みのない考え方だったかもしれません。しかし僕は、この考え方を持つことでサーブは思ったよりシンプルで簡単なショットだと思えるようになりました。
最後にこの記事の内容を一言でまとめると、サーブは確率≧コース≫威力だということ。
このことを常に頭に入れ、相手の苦手なコースをつく練習をしておきましょう。遅いサーブ、威力のないサーブでも想像以上に点が取れることに気づくはずです!
最後まで読んでくださりありがとうございました!