スピンサーブが全然キックしない…
どうすれば良いんだろう?
と悩んでいる方、多いのではないでしょうか。
しかし、サーブが大の苦手だった僕でも(ある程度)キックサーブを打てるようになり
キックサーブは練習を続ければできる
ということがはっきりわかりました。
関連記事
-
【テニス】超サーブ苦手な俺のスピンサーブが初めてキックした時の話
続きを見る
この記事では、キックサーブがはねないという方に向けて、キックサーブを高くはねさせる方法を解説したいと思います。
クリックでジャンプ
キックサーブがはねる原理
キックサーブがはねる原理は簡単。
- ラケットを斜め上に振り抜くことで、斜め回転をかける→コートとボールの摩擦により回転の方向に加速してはねる
- 高めの軌道を通す→重力と反作用により上方向にはねる
本当にシンプルです。
本記事ではこの両方を実現する方法を解説します。
キックサーブを跳ねさせる5つのコツ
スピンサーブをキックさせるために大事なことは
- バックハンドイースタングリップを使うことで、手首と前腕のプロネーションを意識する
- 膝を曲げ、腰を反らない
- スイングスピードを上げる
- トスの位置を変えてサーブの弾道を上げる
の4つです。細かく説明していきます。
※キックサーブを習得するにあたって、前提となる知識はサーブの基本についての記事で書いているので適宜参考にしてみてください。
関連記事
-
【テニス】初心者がサーブをマスターするための基本的な5つのコツ
続きを見る
バックハンドイースタングリップを使うことで手首と前腕のプロネーションを意識する

キックサーブはコンチネンタルグリップよりもさらにフォア側に薄いバックハンドイースタングリップがおすすめです。
キックサーブはバックハンドイースタングリップを使うべき
まず一番最初に大切なのが、グリップです。薄いグリップでなければ手首のプロネーションが使えないため、サーブではコンチネンタルグリップ〜それより薄い握りが必須です。
そして、キックサーブでは特にコンチネンタルより薄いバックハンドイースタングリップの方がより回転をかけやすいです。
厚い握りだとプロネーションが使えない
なぜキックサーブでは薄いグリップが大事になるのかというと、厚い握りでは前腕と手首の回旋運動(いわゆるプロネーション)を自然な動きで発生させられず、体の構造的にサーブにトップスピンをかけようがないからです。
もう少し細かく説明しますと、キックサーブの原理は、ストロークと同じです。
理屈だけで言えば、ラケット面が常に地面に垂直に相手の方向を向いた状態で真上にラケットが移動しているところにボールが当たればスピンがかかりそうです。
しかし実際には、上記のようなラケット面の向きを変えずに真上に移動するラケットでボールをこすったところで、スピンはかかりません。
そこで、実際のキックサーブではどうやってスピンをかけるかというと、伏せ気味のラケット面を開いていく途中にボールに当てることで、スピンをかけています。
この伏せ気味の面を開く動作こそがプロネーションのそのものであり、ウエスタングリップなどの厚い握りではこの動作は絶対にできません。
だから
- サーブでは薄い握りが
- スピンを重視するキックサーブでは特により薄い握りが
重要になってくるんですね。
スイング方向とラケット面の向きの違いによりスピンがかかることについてはこちらの方の記事の説明がわかりやすいです。
実際に試してみるとこんな感じ
字面だけで言われても分かりにくいと思うので、厚いグリップは本当にだめなのか、実際に試してみましょう。
まずはストロークの標準的なグリップと言われているウエスタングリップでラケットを握ってください。
ウエスタングリップはラケットを地面において、手のひらの真ん中をグリップの平らな部分に当ててラケットを拾うような持ち方です。一般的なストロークの時の握りと同じですね。

↑ウエスタングリップ
この持ち方でサーブの動きをします。サーブの構えと動作を実際にしてみてください。
そして、サーブのスイングが始まるところ(ラケットが上に振り出される瞬間)で動きを止めてみてください。
この時、ラケット面は斜め上方向を向いていると思います。伏せたラケット面を返してスピンを掛けたいのに、はじめからラケット面が開いているのではスピンサーブは打てません。
これだけでも、キックサーブを打つためにはウエスタングリップがまず論外だということはよくわかると思います。
では、今度は握りをバックハンドイースタングリップにして同じことをやってみてください。
バックハンドイースタンは、コンチネンタルよりも更に薄いです。コンチが何かわからない方は下記も併せて参照ください。
-
【テニス】実践で理解!サーブでコンチネンタルグリップが大切な理由
続きを見る

↑コンチネンタルグリップ

↑バックハンドイースタングリップ
握るときの基準にしてほしいのは、ラケットを握って気を付けの姿勢を取ったとき、ラケット面がどちらの方向を向いているか、です。
バックハンドイースタングリップでは、このときラケット面は地面に垂直ではなく太もも側に10°〜20°ほど上を向いています。(写真参照)
今までの僕や僕の周りの人にも、コンチネンタルかそれより若干厚いグリップでスピンをかけようとする人は多いですが、それではなかなか強いスピンはかかりません。
このぐらいグリップを薄くすると、はじめは違和感しかないと思います。僕もはじめに教わったときは
は?こんな握りでボールが飛ぶわけ無いじゃん。ウソ教えんなよボケェ
と言いたくなるくらい(言ってませんが)凄まじい違和感がありました。
慣れなすぎて隣の隣のコートくらいまでサーブをふっ飛ばしたり、ネット前でサーブをワンバンさせたりしていました。
しかし、何球も繰り返すうちに「カシュッ」てはなく、「ジュッ」と厚い当たりスピンがかかる感覚が感じられるときが来ると思いますから、この感覚を得られるまでひたすら練習していきましょう!
膝を曲げ、腰を反らない

↑アマチュアレベルではここまで深く曲げなくても良いですが、腰を反るのではなく膝を曲げることは大切です。
膝を曲げるのには、膝を曲げて地面をける力を貯めるためだけではなく、膝を曲げて体の軸を傾け、力の入る打点で縦(若干斜め)回転を実現するという目的があります。
前者については後で書くことにして、ここでは後者にフォーカスしていきます。
まず前提として、キックサーブもフラットサーブもスライスサーブも、体の使い方や力の入るポイントは変わらないということは説明しました。
ということは、キックサーブだからといってフラットサーブなど他のサーブと打点は同じで、キックサーブだからといって特殊な打点で打つわけではありません。
このことを知らなかった以前の僕は
キックサーブは縦回転をかけなきゃいけないから、頭の後ろ(背中側)にトスを上げて腰を反って打たなきゃ!
なんて勘違いをしていました。キックサーブだから頭の後ろに打点を取るなんてどう考えてもおかしいのですが、当時は気づきませんでした。
このやり方だと
- 打点が頭の上→力が入らない
- 腰を反る→怪我をする
と、最悪です。
これを解決するのが膝の曲げです。膝を曲げて軸を傾けることで、
- いつもと同じ力の入る位置のトスで、斜め下からのスイングを実現できる
- 腰を反らなくて良いので怪我を防げる
ようになります。
-
【テニス】スピン系サーブで威力を出すための正しい打点の位置
続きを見る
スイングスピードを上げる
スイングスピードが上がれば安定して高く跳ねるサーブになる
正しいグリップがマスターできたら、次に大切なのがスイングスピードです。
サーブはスイングの力をスピンに配分するかスピードに配分するかによって球種を打ち分けるものですが、その中でもスイングの力の多くをスピンに配分したものがキックサーブと呼ばれるものです。
だから、キックサーブはスイングスピードが速ければ速いほど安定しますし、高く跳ねるようになります。この考え方ができるとセカンドサーブも非常に安定します。
関連記事
-
【テニス】セカンドサーブを安定させ確実に入れる3つのコツと方法
続きを見る
そこで、スイングスピードを上げるために以下の点を意識する必要があります。
- 肘を高くする
- 膝を曲げ、地面を強く蹴る
- 力の入る位置にトスを上げること
この3つが必要です。1と2についてはサーブの基本についての記事の応用編でも書いているので参考にしてください。
関連記事
-
【テニス】初心者がサーブをマスターするための基本的な5つのコツ
続きを見る
肘を高くする
肘を高くするというのは、肘を肩の延長線上よりも高く保つということです。肘を高くすることで、腕が窮屈にならず強く振ることができるので、これはかなり大切です。

やってみるとわかりますが、肩のラインよりも肘を高くするのは結構疲れます。
肘が下がっている人は自分の思っている以上に下がっていることが多く自分で思っている以上に肘を高く上げてようやく人並みに肘が上がっていると考えてちょうどよいです。
意識的に肘を高く保つ練習をしてみましょう。
膝を曲げ地面を蹴る反動の力を伝える

また、膝をしっかり曲げて地面を蹴る力をスイングに伝えるのも有効です。スイングスピードを上げるために下半身を使って強く地面を蹴りましょう。
下半身の力は上半身のそれよりも遥かに大きく、地面を蹴る反作用を活かすことでスイングスピードをアップさせることができます!
力の入る打点にトスを上げる
サーブの威力を出すためには、力の入る打点にトスを上げることがとても大切です。
過去に頭の後ろにトスを上げて力が入らないと嘆き続けたアホチンな過去の自分にこのことを伝えてあげたいですね。
関連記事
-
【テニス】スピン系サーブで威力を出すための正しい打点の位置
続きを見る
-
【テニス】サーブのトスアップを無回転で安定させる5つのコツ&練習方法
続きを見る
トスの位置を変え、サーブの弾道を上げる
そして最後に肝心なのがサーブの弾道です。
スピンサーブはしっかりと回転がかかればそれだけである程度はキックしますが、さらに相手にとって嫌な打点で打たせるためには弾道を上げてより高くバウンドさせることが必要です。
そのためにはネットの高い位置を通すイメージが大切です。

スピンがしっかりとかかってくれればネットの2倍〜3倍くらいの高さを通しても充分入ってくれます。
また、サーブの弾道を上げるためにはトスの位置を変えるのもとても有効です。この方の動画の3:40あたりからがとても参考になります。
この方が言っていることは要するに、打ち上げようとしなくてもトスの位置を右肩より(背中よりではない)に上げれば体の構造的に自然とサーブの弾道は上がるということです。
これを見た翌日、僕もすぐに試してみたところ本当に効果があり
ほんとにこんなんで弾道が上がるんだ
と感心してしまいました。もしキックサーブの跳ね方が低くて困っているなら、この記事を読んでくれているあなたもぜひ試してみてください。
これを理解したら、あとは何度もサーブを打ってネットの上のどのくらいの高さを通せばちょうど深い位置にサーブが入るのかを探りましょう。そうすれば、そこに向かって振り切ることでサーブは深く、相手リターナーの高い打点まではねてくれます!
このときサーブにスピードをだす必要はありません。ゆっくりでもいいので大きく山なりの軌道を描くようなイメージを持ちましょう。遅くて高く跳ねるサーブはチャンスボールに見えてかなり叩きづらく、リターンが強い相手にもとても有効です。
はねるキックサーブの打ち方と原理 まとめ
↑スピンサーブのエースです。笑いすらこみ上げてきます。
高くバウンドするキックサーブを打つには
- バックハンドイースタングリップを使うことで、手首と前腕のプロネーションを意識する
- 膝を曲げ、腰を反らない
- スイングスピードを上げる
- トスの位置を変えてサーブの弾道を上げる
の4つが大切です。
スピンサーブはスイングスピードが上がれば上がるほど安定するサーブですから、この記事を参考にガンガン練習して、緊張する試合でも安定感のあるキックサーブを打てるようにしていきましょう!
最後まで読んで下さりありがとうございました。
関連記事
-
【テニス】ダブルスでサーブが弱い人がキープの確率を上げる3つの方法
続きを見る
↑サーブが弱くダブルスで全然キープできなかった僕が、キープできるようになるまでの試行錯誤の結果がまとめられた記事です。
-
【テニス】サーブに縦回転をかけられない人はテニスの楽しさを半分もわかっていない!
続きを見る
↑サーブの回転がコントロールできるようになるとテニスが3倍くらい楽しくなるよという記事です。