
ストロークは強く打てるのに、ボレーだとぜんぜん力が入らない!

ボレーが遅くてポイントが決まらない…
と悩んでいませんか?
パンチのあるボレーはダブルスでもシングルスでも決定力を高めるために必要不可欠です。というか、ボレーに威力がないと上級者との試合ではポイントが決まりません。
この記事ではボレーにパンチを出すために必要な2つの鉄則をお伝えしたいと思います。
ボレーにパンチを出すための2つのコツ
ボレーにパンチを出すのに必要なのはずばり
- 軸足のタメと大きな踏み出し
- 太鼓のバチのラケットワーク
です。これ以外にも満たしておくべき基本的なボレーのコツはいろいろありますが、ここではパワーの出し方にフォーカスしたいため割愛します。
ボレーのコツについてはこちらの記事を参照ください。
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軸足のタメと大きな踏み出し

突然ですが、クイズです。ボレーで一番大切なことは何でしょうか?
ラケットを引かないこと、振らないこと、真ん中に当てること、ボールをよく見ること、軸足を出すこと…普段言われていることはたくさんあると思います。どれも大事です。
しかし個人的に、いちばん大切なのは
フットワーク
だと考えています。
僕の経験上ですが、ボレーというショットは足の動かし方がなっていないと、いつまで経っても
- 安定しない
- パワーが出ない
仕様になっています。不思議ですね。
僕も所詮アマチュアプレーヤーですので、異論反論などあれば受け付けてます。ぜひ教えてください。
ということで、力のあるボレーを打つために一番大切なのはフットワークです。ボレーの威力の源は腕の力ではなく、私達の体が動くパワーなのです。
考えてみれば分かりますが、腕は5キロくらいしかないのに対し、体はその10倍近くあります。腕を一生懸命振るよりも、体の移動エネルギーをうまくぶつけることを考えたほうが力を出せるというのは至極当然のことです。
そこで、パンチのあるボレーをするためにはフットワークをうまく使って、体をいつもより速く動かしてボールにぶつけなければなりません。
そのためには
- 勢い良く打点に入り
- 軸足をボールの後ろに入れて体重を載せ
- 軸足で大きく地面をけって飛ぶ最中にボールをインパクトする
ことが必要です。
勢いよく打点に入る
まず、勢い良く打点に入り、ボールに与えるエネルギーを大きくします。運動エネルギーは物体の速度の二乗に比例するので、打点に入るときに勢いをつければそれだけボレーも速度が出ます。
ボールが飛んできたらとにかく勢いをつけて打点まで一直線に動きましょう。
すばやく軸足をセット

次に、軸足のセットをします。軸足とはフォアボレーなら右足で、左利きとバックボレーはそれぞれこの逆です。
軸足をセットするときには必ずボールの軌道の後ろにセットするようにしましょう。最初に軸足をボールの軌道の後ろに入れてボールの軌道に対してなるべくまっすぐぶつかることで、エネルギーをロスすることなく伝えることができます。
軸足に体重を乗せ地面を蹴り、空中でヒット
そして、軸足をセットしたら軸足に体重を載せ、そしてボールが来たら思いっきりそっちに向かって軸足を蹴ります。そして、着地する前にボールをヒットしましょう。
↑0:42のボレーみたいに思いっきり足に体重をのせて蹴り出しましょう
よく勘違いしている人がいるのですが、軸足で地面をけっても、着地した後にボレーをヒットしていては跳んだ意味が全くありません。必ず跳んで着地するまでの、空中にいる間に、ボールをヒットしましょう。
これが、ボレーにパンチを出すためのフットワークです。軸足をセットするまでの体の勢いと軸足のタメの大きさがボレーの威力の大きさに直結します。
太鼓のバチのラケットワーク

フットワークの次に大切なのがラケットワークです。いくらフットワークで力をためても、インパクトでその力を逃してしまうとすべてが台無しになるからですね。
このインパクト時のラケットワークですが、太鼓を叩くときのバチのようなラケットワークをするのがコツです。
これはボールが当たる瞬間にはラケットを止めるということ、言い換えれば当たる瞬間にパワーを集約するということです。
ボールが当たる瞬間にラケットを止めることで、インパクトのタイミングがボヤけて威力が落ちてしまうことを防いでいるのです。
例えば、パンチをするときには、拳が相手にあたってからも相手に向かって押し続けることはせずに、パンチが当たったらすぐに拳を引っ込めますよね?
↑3:49でパンチを打ったら同じ軌道で腕を戻すよう指導されていますが、ボレーも同じ原理です。
同じことが太鼓、ボレーでも言えます。太鼓を叩くとき、当たったと同時にバチを少し引っ込めますよね。
これは、伝える力をロスなく最大限に発揮するために慣性の法則を利用しているからなのです。
高速で動く物体を突然止めると、物体はもともと動いていた方向に動き続けようとするのが慣性です。
ボレーでは、あえてボールに当たる瞬間ににラケットを止めることで、ラケットの慣性をボールに無駄なく伝え、ボールを強く飛ばすのです。

ラケットを自分で止めなくてもボールにあたった瞬間に勝手に慣性は働くんじゃないか?
と思うかもしれませんが、それは違います。
テニスボールにはスイングされるラケットを一瞬で止められるほどのエネルギーはないため、小さな慣性がダラダラとかかる結果になり、ラケットの慣性エネルギーをインパクトの一瞬に集約することができません。
だからこそ、ラケットを自分の力で一瞬で止め、その慣性をインパクトの瞬間に集約することで効率よくパワーを伝えることができるのです。
この太鼓のバチ、ボクシングのパンチの動きを意識してボレーのインパクトを練習してみましょう!
太鼓のバチのラケットワークの練習方法

太鼓のバチのようなインパクトの感覚を磨くためには、くるぶしより低い位置でボールをつき続ける練習をするのがおすすめです。
低い位置でボールをつこうとすると、力を入れるタイミングを間違えた瞬間にうまくバウンドさせられずに途切れてしまいます。
なので、バウンドが途切れないように集中してやるとインパクトの感覚を磨くためのとても良い練習になりますよ!
ボレーは振ってはいけない?
しかしこの太鼓のバチのラケットワークは、世にはびこる「ボレーはラケットを振ってはいけない教」の教義に反するのではないかと心配になるかもしれませんね。
確かにボレーは振るなと指導する場合があります。ボレーでは大きくスイングをするとミスをしてしまうのでこのアドバイスは的を射ているといえます。

でもプロはボレー振ってるよね?
はい。実際にプロのボレーを見ていると明らかにラケットを振っています。ボレーにもスイングはあるんです。
誤解の無いように言うと
ボレーは(フォロースルーはOK、テイクバックをして)振って(引いて)はいけない
ということだと思います。
つまり、テイクバックをせず、太鼓のバチのラケットワークでインパクトの瞬間でばっちりヒットできるのであれば、そのせいで多少スイングしているように見えてもまったく問題ありません。
まとめ
この記事の内容を一言でいうと
ボレーの威力=パワーの源(フットワーク)×パワーの伝達効率(太鼓のバチのラケットワーク)
ということです。
この両方を兼ね備えて初めてパワーのあるボレーを打つことができるようになりますから、両方ともしっかりとできるように練習していきましょう!
個人的には、ボレーほど練習で誰でもできるようになるショットはないと思います。
すぐにはうまくいかなくても、努力の方向さえ間違えなければそのうち絶対できるようになると思うので、諦めずにやってみてください。
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