逆クロスってなに?
フォアの逆クロスのコツが知りたい!
そんな方に向けた記事です。
逆クロスとは?
逆クロスというのは、テニスのショットの一つであり、順クロスの対義語です。
順クロスっていうのは、自分のフォア(バック)側から相手のフォア(バック)側に飛ばすフォア(バック)のクロスのことです。
逆クロスはその逆で、自分のフォア(バック)側から相手のフォア(バック)側に飛ばすバック(フォア)のことを言います。
フォアハンドの逆クロスの典型は、自分のバックハンド側に来た球を回り込んでフォアハンドで相手のバックハンド側に打ち込むショットです。
初心者の方や、少しテニスの楽しさがわかって練習をし始めたくらいの中級者の方だと順クロスが得意な人が多いですが、それより高いレベルでシングルスを戦うために逆クロスは必ず役に立つ技術です。
この記事ではそんな逆クロスのフォアハンドのコツをお伝えしたいと思います。
なぜ逆クロスが必要なのか
テニスのラリーは基本的に順クロスに打ち返すことが多いです。
しかし、シングルスでは順クロスだけでなく逆クロスがうまく打てるとかなり強いです。特に、フォアハンドの逆クロスがうまいとかなりのアドバンテージとなります。
というのも、相手と自分の利き手が同じならば、フォアハンドの逆クロスが打てると相手のバックハンドを攻撃できるからです。
バックハンドはフォアハンドに比べて苦手な人が多いですし、そもそも多くの人が使う両手バックハンドはフォアハンドに比べてリーチが短いですから、そこをうまく攻撃できるようになるとストローク戦を有利にすすめるることができるのです。
もちろんバックが強い相手に中途半端な逆クロスを打ってもストレートに打ち込まれてやられるので簡単に通用するとは限りませんが、フォアの逆クロスはほぼどんな相手に対しても身につけておいて損はないショットです。
バックハンドはよほど得意でなければあえて回り込んで逆クロスを打つ必要はあまりないので特に書きません。というか、シングルスで回り込みバックの逆クロスなんて打ったことねぇ…のでアドバイスできません。あしからず。
ということで、そんな役立つショットであるフォアの逆クロスの打ち方についてテニス経験3年半の僕がコツを教えていきたいと思います!
フォアハンド逆クロスの5つのコツ
フォアハンドの逆クロスのコツは以下の5つ。
- ボールより早く回り込む
- ボールと距離を取る
- 身体を打つ方向に向ける
- 体を閉じる
- スピンをかける
です。それぞれよくわからんとこがあると思うので解説していきましょう!
ボールより早く回り込む
これはもう基本中の基本中です。これができない人は逆クロスを打つことは難しいといってもいいくらいでしょう。
とはいってもそんなに難しいことではなくて、要は「ボールに合わせずにボールより早く打点に入る」ということです。
逆クロスを打つときに初、中級者に多く見られるのが、「ボールが跳ねるのに合わせて打点に入る」というシーン。これは絶対にNG。
逆クロスは、順クロスに比べて打点が遠いです。順クロスならコートの真ん中側からボールをヒットできるのに、わざわざ逆クロスで打つということはコートの外側から打たなくてはならないのです。
にもかかわらず順クロスと同じようにゆっくりと打点に入る人が結構多いです。僕もたまにやってしまいますが、ボールに合わせてしまうことが無いように意識的に注意しましょう。
ボールに合わせて打点に入ったことでが詰まってしまうと、逆クロスは非常に難しいショットになってしまいます。
角度をつけるショットですから、なるべく短く打たなくてはならない。そのためには打点に入るのが遅れては絶対にいけないのです!
ボールに合わせず打点に入るのが大前提です。
ボールと距離を取れ
上で書いたこととかなりかぶりますが、とても重要なことです。
- ボールと距離を取らなくてはいけない理由は、打点をつまらせたくないから。
- 打点をつまらせたくない理由は、逆クロスは詰まるとコントロールができなくなるから。
逆クロスはただでさえコートの外側まで長い距離を動いて打たなきゃいけないショットですが、コートの外側へと動くだけでなく同時にボールの外側にしっかり入らなくてはならないのです。
イメージはコートの中心からボールの軌道の延長線上まで動き、そこからさらに1〜2メートルボールの軌道の外側に構えます。
左手の使い方についての記事でも書きましたが、打点が詰まると威力もスピンも半減します。むしろ、このくらいの位置まで回り込めないショットはフォアで打つべきではありません。
詰まらせないように左手をうまく使ってボールと距離を取ることで、ボールをコントロールしましょう!
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打つ方向を向く
これは中級者でも意外と意識、実践できてない方は多いんじゃないでしょうか。どういうことかというと
逆クロスに打つとき、コートの対角線上のアドサイドに正対して打つということです。決して相手コートに正対してはいけません。

たしかに上のフェデラーのように、相手コートに正対して逆クロスを打つことができればコースを隠すことができて理想的です。
しかし、アマチュアレベルであまりコースを隠そうとするあまり逆クロスのコースが甘くなってしまいがち。
上級者の方がどう打っているかはわかりませんが、少なくとも僕くらいの中級者レベルでは逆クロスであろうと素直に打ちたい方向を向いたほうが無難です。相手からしても、こちらが露骨に体の向きを変えさえしなければそこまでコースは読めないので大丈夫です!
コースを隠すより、まずは打ちたい方向を向いてしっかり打つことを優先しましょう!
体を閉じる
体を閉じるってピンとこないアドバイスだと思います。僕も最初に言われた時はいまいち意味が分かりませんでした。
少し具体的に言うと、体が閉じるというのは、簡単に言えば「スイングの時に体の回転がブロックされている」ということ。
反対に、体が開くというのは「腕の振りが体の回転に遅れすぎている」ということです。
コーチたちが、「体を閉じろ」と口を酸っぱくして言うのは、体が開くとスイングの力が伝わる必要のない方向に伝わってしまうからです。
例えば、逆クロスを打つときに体が開くと、ストレート方向に力が逃げてしまう結果、打球の逆クロス方向への推進力が落ち、甘くなってしまいます。
これを防ぐ一番現実的で簡単な方法は
フォロースルーの後も打球をヒットしたポイントに目線を残すこと
フェデラーを見てみるとわかりやすいですね。打点にしっかりと顔が残っています。

↑フェデラーのフォアハンド。しっかりと打点に顔が向いており同時に左手で体の開きを抑えているのがわかります。
打点に目線を残すことで、打球を捉える瞬間は顔が回らなくなり、結果体の回転が適度にブロックされるということです。
顔を残すことができたら、次は非利き手をしっかり使って体の回転をブロックできれば完璧です。ボールを捉える瞬間に左手を胸の横で立てて上半身の動きを止めます。
打点に顔を残し、左手を使い体の開きを抑えることで逆クロスでもボールがしっかり飛びますよ。
スピンをかける
最後に大事なのはスピン。ただ、スピンはやることをやっていれば勝手にかかるのでかけようとしてかかるものとも違うんですが、逆クロスにはスピンが必要なので書きます。
逆クロスで一番強いのは高い打点からフェデラーのようにウィナーを打ち込むショットですが、正直僕のような中級者レベルではあんなバシッと決まる逆クロスはさう簡単には打てません。
では逆クロスで同相手を崩すかというと
角度をつけて相手を追い出す
んですね。少し浅めのクロスに逆クロスを打ち込むことで相手をコートから追い出すことができます。
そこからチャンスボールを引き出して攻撃の糸口にすることができると逆クロスはかなり有効なショットになってきます。
当然、角度をつけるということは短いショットを打たないとアウトのリスクが高まります。
しかし、コースを重視するあまり遅い球を打つと今度はストレートに打たれるリスクが大きくなります。
だからここで重要なのは
しっかりスイングしつつスピンをかける
こと。そうすれば球威が落ちずに相手を追い出すことができるわけです。実際上手い人の逆クロスはめちゃめちゃ落ちます。YouTubeで望月勇希くんとか見てください。落ちすぎ。
↑1:45秒あたりとか、すごすぎです。
角度をつけて相手をコートから追い出すため、振り切ってスピンをかけましょう!
フォアハンドを振り切って強打するコツはこちらの記事を参考にしてください。
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まとめ
この記事の内容をまとめると
- シングルスで相手のバックハンドを攻められる逆クロスはとても重要
逆クロスを打つコツは
- ボールより早く回り込む
- ボールと距離を取る
- 打つ方向を向く
- 体を閉じる
- スピンをかける
です。フォアの逆クロスは非常に役に立つショットですが、フォアハンドの基本ができていないとなかなか打つのは難しいです。
なのでしっかりと基礎基本を身に着けたうえで練習していってくださいね!
フォアハンドもちょっと不安だな…という方はこちらの記事も参照してみてください。
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↑バックが苦手な人は多いし僕もそうでしたが、両手バックハンドは練習すれば誰でも上達できるよってことを書いてる記事です。
↑僕が5年かけて体得した「シングルスはど真ん中に打っとけば勝てるぞ作戦」について解説した記事です。
思考がシンプルになって精神的にもやりやすくなるので、シングルスでメンタル崩壊しがちな人にもオススメの作戦ですよ。