最近よく「いい家に住みたいなあ」って思います。僕が住みたいいい家は「都心で渋谷新宿に近い」「みすぼらしくない」そんな家です。
ちなみに今は「都心で渋谷新宿に近い」「みすぼらしい」家に住んでいます。都心のきれいな家は家賃が高いですからね。
僕が思う「いい家」は結構家賃が高い(最低でも月8-10万円くらい)ので、自分の手取り的と貧乏性な性格を考慮すると賃貸で借りるのはかなりハードルが高いです。賃貸だと自分の払う家賃はすべてなくなりますから、払った分は自分の手元に一円も残りません。
しかしこれが購入だったらどうなのか?と最近思うようになりました。
自分が現状賃貸で借りて住みたい!と思うような家を購入してしまえば、家賃として支払っている金額は残債の減額分として(形式上ではありますが)一応自分の資産にプラスされます。
そこで、自分への確実な不動産賃貸事業として1Rマンションを購入するのってどうなのか?真剣に考えてみることにしました。
1Rマンション購入は得なのか
上記を検証するにあたり必要なことはただ一つ、入る金額と出ていく金額を比較し、シミュレーションをすることです。
- 1Rマンションを購入して売却するまでにかかったキャッシュアウトとキャッシュインを全て合計したシミュレーションを作成
- 今のボロアパートに住んだときのキャッシュアウト金額を合計
実際にありそうな出口戦略(いつまで住むのか、住まなくなったら貸すのか、いつ売却するのか、いくらで売れるのか)などを考えたうえで上記を比較し、自分にとっていい選択と思えるかどうかを検証していく必要があります。
試しに1Rマンションの投資リターンを計算してみた
試しに僕がぼんやりいいなあと思っていた中古マンションを購入した場合のシミュレーションを計算してみました。

物件価格は2480万円、東京都渋谷区松濤の中古1Rマンションです。
広さは21平米、築17年、家賃は管理費含め9.6万円です。
バルコニーからの景色がよくて、一瞬でいいからこんなところに住んでみたいものです。

上記物件を購入した場合の収支を2パターン(30年間自分で住む場合、5年住んでそのあとは貸す場合)でシミュレーションしてみました。
諸条件は下記の通りです。
- 頭金は購入代金の10%
- 固定資産税は月1.5万円
- 管理費修繕積立金は物件概要に記載の通り
- 売却諸費用は売却額の5%
- 貸す場合の空室率は10%想定
- 売却額はウチノカチを参照
- 途中で貸す場合には自分の家賃も含める(5万円/月)
見る人から見れば甘々かもしれませんがご容赦ください。
上記で試算した結果、結果は下記に。
- 30年間自分で住む場合→トータル収支-935万円(家賃換算2.6万円/月)
- 5年住んであとは人に貸す場合→トータル収支-127万円(家賃換算0.35万円/月)
後者に関しては所得税も含まれていませんが、ザックリと試算ができればよかったのでまあ良しとしましょう。
こうしてみると、キャッシュフローに詰まらず長く持ち続けることができればトータルのコストは意外と安く済むということがわかりました。
ただ、懸念点がいっぱいあります。
試算して分かった懸念点
- 本当に売却価格で売れるかどうかわからない
- 悪化するキャッシュフローに対して投資リターンが少ない
まずそもそもウチノカチで調べた金額で売れるかがかなり怪しいです。ウチノカチで価格を見たところ、築年数31年から先は築年数が上がるにつれ売却価格が上がるという謎現象を観測していますし、本当にこの価格で売れるのか疑わしいです。
それと、この投資のリターンを考えると投資効率もかなり怪しいです。
何も不動産を購入せず家賃を支払い続けた場合のコストが月5万円、30年間で約2000万円だとして、①のシミュレーションの場合だと約1100万円、②のシミュレーションだと約1800万円得していることになります。
しかしその間に①のシミュレーションだと4000万円近くキャッシュアウトしていますし、②のシミュレーションだと5500万円近くキャッシュアウトしています。そしてこのキャッシュアウトしている金額は投資に回すことが可能です。
4000万円を30年間に分けて積み立てして年利5%で回せれば(税率を無視すれば)9000万円近くになりますし、毎年20%課税でも7000万円は軽く超えます。
5500万円の場合、1億3000万円近くに、税引き後でも1億円は超えます。
こう考えるとわざわざいろんなリスクや手間を取ってまで、このレベルの儲けのために不動産を買うのはバカらしい感じがしますね。
「家賃を払うよりローン支払いに充てた方が得」の罠
ということで、家賃を払うよりローン支払いに充てた方が得、というのはシミュレーションをきちんとしない限り実際にはわからないことがわかりました。
皆さんも不動産投資をする前にはきちんとかかる費用を考えたうえで得と思えるかどうかを基準に投資していきましょう。
かっこいいおうちに住みたいです。