【カメラ】「極小センサーは望遠に強い」が半分嘘である理由

ビデオカメラや超望遠のカメラに「光学60倍ズーム搭載!」など高倍率のズーム機能がうたわれている場合がありますよね。でも一眼レフなどしっかりしたカメラを購入したての方は「なぜおもちゃみたいな高倍率ズームのほうが一眼よりも望遠に強いんだ!」不思議に思うのではないでしょうか?

僕も最初は不思議に思っていました。なんせ一眼レフでできるズームの倍率というのはどんなに頑張ってもせいぜい15倍くらいですし、換算画角にしても気軽に手の出せる価格帯では500mmくらいがいいところで、これら高倍率ズーム機がうたう1000mm、2000mmなんていう画角には到底かなわないからです。

結論を言ってしまえば、高倍率ズーム機がこのように化け物のような画角を実現できるのは、単純にセンサーサイズが小さいからです。理論上は、高倍率ズーム機で撮れる写真は、一眼レフで撮れる写真をトリミングしたものと本質的には変わりません。変わらないどころかそれ以下の場合もあります。なので一眼、高倍率ズームともにレンズが似たようなものであれば、望遠性能で一眼レフが負けるはずはありません。

とはいえ感覚的には一眼レフの200mmの中心の1%をトリミングしたところで高倍率ズーム機の2000mmに画質でかないそうにはありません。ということは、望遠に限っていえば一眼レフはコンデジに劣るのでしょうか?

この疑問を今日は考えてみようと思います。

小さいセンサーは望遠に強い?

結論からいうと、小さいセンサーは望遠に強くありません。正しくは「大きなレンズは望遠に強い」です。望遠性能というのは、レンズがいかに遠い景色の細かいところまで破綻無く映し出せるかにかかっています。センサーのサイズというのはそのレンズが映し出した像の、どの部分をどれくらいどんな感じに切り取るかを決める要素に過ぎません。

ここでいうどの部分をどれくらい、というのがセンサーサイズ、どのようにというのが画素数や画像処理などに当たります。小さいセンサーが望遠に強く見えるのは、センサーの小ささゆえ小さい範囲しか切り取れないので、見かけ上望遠されているように見えるからなのです。ですから望遠性能にセンサーのサイズは本質的にあまり関係が無く、重要なのはレンズの性能になってくるのです。

ではなぜセンサーの小さな高倍率ズーム機のほうが見かけ上望遠に強く見えることがあるのかというと、それは画素数が違うからです。ここに一眼レフと高倍率ズーム機があるとします。両方とも2000万画素で、一眼は200mmの、ズーム機は2000mmのレンズを搭載しているとします。すると一眼の画角をズーム機に合わせるとすると、一眼の画像の中央1%を切り取ればいいことになります。そうすると同じ画角でも高倍率ズームのほうは一眼の100倍の画素数で記録することになります。さすがに同じような像を切り取ってるとはいえ、画素数が100倍となると見え方も変わってきます。これが高倍率ズーム機が見かけ上望遠に強く見える理由です。

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検証

次は実際にセンサーサイズの違うカメラで比較してみます。高倍率ズームは持っていないので検証ができませんが手元にあるK-S1とFinePixz900exrで検証してみようと思います。FinePixのほうが若干望遠側に長いです。

検証内容

K-S1 の写真をトリミングするとFinePixの望遠に比べてレンズの差がどのくらいでるのでしょうか。K-S1の方がセンサーが大きいので、FinePixの望遠端(140mm相当)で撮った写真と、K-S1(約80mm相当)で撮った写真をトリミングしたものとを比べてみます。

FinePixで撮影。

K-S1で撮影。

この大きさだとあまり違いはわからないので、拡大してみます。

FinePixで撮影。トリミングしています。

K-S1で撮影。トリミングしています。

こうしてみるとはっきりと違いが出ますね。K-S1のほうがくっきり写りました。

結果

もともとの画角にあまり差が無かったせいかK-S1の圧勝。これくらいの差だと画素数分の不利をレンズの優位性が上回る結果となりました。

まとめ

もっと極端な高倍率ズーム機があれば比較をしてみたいです。GFX50とCOOLPIXP900とか比較できたら面白いだろうなあなどと妄想をしながら、今日の記事を終わりにします。それでは。