シコラーと呼ばれるプレーヤーに苦しめられたことはありませんか?
シコラーというのは簡単に言うと「球をひたすら返して相手のミスを待つプレースタイルの人」のことです。むかつきますよね、強いし。
高いロブやスライスなど入る確率の高いショットを我慢強く打ち続け、左右に振られても走って走って拾い続けるあのしぶといプレーに僕も何度煮え湯を飲まされたことか。
今回はこのシコラーに勝つために必要な3つのことをお伝えしていきます。
クリックでジャンプ
シコラーを倒す5つの対策
どう対策すればシコラーに勝つことができたのか。必要なことは5つありました。
- 「シコラー=弱い」という考え方を変える
- 角度のついたショットを使う
- アプローチを多用して前に詰める
- ドロップとパスを多用する
- ショットの確率、精度を上げる
です。
シコラーへの認識を改める
まず、シコラーに勝つために一番大事なことは
シコラー=弱者の戦略
という考え方を改めることです。
この試合に臨むまでの僕は、シコラーを特別なプレースタイルと考えていましたが、それは大きな誤解でした。
シコラーは特別なものでも、弱い人の戦略でもなんでもなく、ごく当たり前なテニスの基本だったのです。
言い換えれば僕は、ただ自分が相手より球が入れられないだけのことなのに、それを理解せず、自分が勝てないからといって
アイツらは強いショットが打てないからちまちまつないでいるんだ!
と、自分を守るために真っ赤になっていたにすぎません。
単に実力が劣っていて勝てないイライラをどうにかするため、相手にシコラーというレッテルを貼っていたわけです。
テニスは相手より一球でも多く返さなくては勝てないスポーツです。がんがん強い球を打つことができたとしても、その強い球が70%とかしか入らないのでは絶対に勝てません。
プロはバコバコ速い球でウィナーをとっていますが、それは彼らにとってのシコり球が僕らアマチュアにとってのバコりというだけです。漫然と球を入れているだけでは勝てないからやっているのです。
つまり、テニスで強いプレーヤーというのは誰もがその前提としてシコラーであり、シコり球のクオリティを限りなく上げることでポイントの確率を上げられるのがさらなる上級者なのです。
シコることのできないいわゆるバコラーという人たちがいるとすれば、それは単にヘタなだけです。
バコることでポイントする確率よりもミスをする確率が高くなるのなら、その人にはバコる権利もメリットもありません。
そんな人よりもずっとミスせず球を入れられるいわゆるシコラーの人の方がよっぽど格上です。
僕はずっとこの認識を誤っていました。
短く角度のついたストロークを打つ
僕は以前、シコラー相手に
深いところに強く打ち込み続ける
という作戦をとっていました。
しかし今となってこれを見返してみると、この戦略は明らかにバカです。
深いところから深いところへロブを上げて戦ってくる相手に対して、深いところに打ち込むという戦略は明らかに相手の土俵で戦う戦略であり、得策ではありません。
もっと短く鋭角にショットをコントロールして、相手の動く範囲を広げるべきでした。
↑1:01のような角度のついたショットを打てるのが理想です
アプローチを多用して前に詰める
シコラーを倒すのに有効な手の一つとして、アプローチを多用してパスを強いるという戦術があります。
というのも、シコラーはとにかく安全につなぐことに特化しているため平和なテンポのラリーを崩されるのを嫌います。少なくとも、ベースラインでのストロークよりもパスのほうが幾分か苦手な場合がほとんどです。
この戦術で相手がミスを増やしてくれるくらいのパスの上手さなら、ラリーの序盤でも構わずどんどんアプローチを打って前に詰めまくりましょう。
ただ注意するべきは、この「シコラー対策」に対して既に対策をうっているパスの上手いシコラーもいるということ。
僕がなかなか勝てなかったサークルの先輩もこういうパスの上手いシコラーでした。
こういうパスの上手いシコラーに対しては、思考停止してアプローチしまくるのは禁物です。自分のアプローチ能力とボレー力と相談し、点が取れる見通しが立つ場合だけやりましょう。
ボレーを基本から練習したいという場合にはこちらの記事も参考にしてみてください。僕が2年間毎日のように練習して会得したボレーのエッセンスが詰まっているので必ず役に立つと思います。
【テニス】初心者のボレー習得に必須なラケット・フットワークのコツ・基本
続きを見る
ドロップショットを多用する
また、僕の経験上一般的にいわゆるシコラーと言われる人は左右の動きに強い人が多いですが、前後の動きは左右ほど得意でない人が多いです。
なので、浅いスライスやドロップショットなどのように浅い球を意図的にコントロールする技術は、いわゆるシコラーを倒すのにとても効果的です。
ただ、ドロップショットはストロークで押し込めることが前提ですし、そもそもショット自体の難易度が高いので練習してから試合で使ったほうがいいと思います。
ショットの確率と精度を上げる
最後に大事なのは、ショット自体の確率と精度です。
この試合の時の僕は、上で挙げたようなシコラー攻略のための戦略を知っていたとしても、それを実行するショットの精度、確率がありませんでした。
テニスでは有効なショットや作戦があっても、それをするのに半分以上ミスっていれば一生勝てません。
そしてそれ以前に、当時の僕は基本的なショットすべてに問題が多すぎました。
バックハンドもフォアハンドもボレーもスマッシュもサーブも、こうすれば絶対入るという蓋然性のあるショットがなかったのですから、その状態で自分より上級者のシコラーとやれば戦略以前に自分のミスでペースを失うのは当然です。
つまり
- 基本のショットが当たり前に入る
- シコラー攻略のためのショットが当たり前に入る
この2つがあって初めて勝てる可能性が出てくる、ということですね!
シコラー攻略の際にはストロークの安定感がなければ話になりません。ストロークを安定させるための基本についてはこちらの記事が参考になると思います。
【テニス】安定したフォアに必須!腰の回転を使った強打の練習メニュー4つ
続きを見る
【テニス】僕が苦手な両手バックハンドの安定した強打を習得できた4つのコツと練習方法
続きを見る
シコラーにやられた
今では偉そうにこんな記事を書いている自分ですが、過去にシコラーをなめてかかっていつまでも勝てず、途方に暮れていた時期がありました。それを痛感したのが大学1年の時の学内でのサークル個人戦の時のことです。
僕の所属するテニスサークルもふくめた学内サークルの大会があり、相手はがちがちのシコラーでした。
とにかくゆるいロブを深いところにコントロールし続けて粘って得点を狙ってくる人です。
初めのうちは相手の球が浅くて、ばしばしこっちのアプローチショットが決まっていたのですが、徐々に相手の球が深くなっていくにつれてなかなかミスをしてくれなくなっていき、こちらから何球も深いところに打ち込まないと甘い球が来ない状況に。
ロブでしこられる展開につきあうのが嫌だったので、なんとかリターンとサーブで有利な状況を作って前に出て決めてしまいたかったのですが、逆にこっちのリターンミスやサーブのダブルフォルトが増えてしまいました。
たまにうまくいって攻めのリターンやサーブで前に出たのはいいものの、アプローチやボレーを決めきれずにパッシングやロブで抜かれてしまい思ったように得点できず、敗北。
ラリーで我慢強く深い球を打ち込んで得点できていたゲームもあっただけに、その集中力を最後まで保ち続けられなかったことが悔やまれる試合でした。
シコラー対策のまとめ
シコラーに勝つためには
- 「シコラーはまがい物」的な思考を改める
- 角度のついたストロークでミスを誘うor浅い球を打たせる
- すぐ前に出て相手にパッシングをさせる
- ドロップショットで相手を揺さぶる
- あたりまえに入るショットと戦略を実行できるだけ精度と確率のあるショットを習得すること
の5つが大事。シコラーはせこい戦略などではなく、テニスの基本に忠実な強い戦略です。
相手のシコラー以上に粘れることを前提にし、自信を持って相手を崩せるショットをを身につければシコラーは倒せるはずです!
最後までお読みいただきありがとうございました!
関連記事
【テニス】すぐに使えるシングルスの試合で勝つための王道の作戦を伝授
続きを見る
シングルスはひたすら真ん中に返せば勝てるぜってことを力説した記事です。
【テニス】試合で緊張して打てない・メンタルが弱く勝てない人が実力を出す方法
続きを見る
試合で緊張してばかりだった僕が、意識を変えただけで本当に試合で緊張しなくなったその方法をまとめた記事です。